ゆうゆう104号 2016年10月26日発行
〜少しの困難なんのその!今日も目指すは美術館〜
日ごろな一枚
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1.インタビュー利用者高野直子×ケアスタッフ岡部那津
〜少しの困難なんのその!今日も目指すは美術館〜
![]() 「私は外に出ることが好きなので、外に出ないと息詰まっちゃって」
笑いながらそう話す、利用者の高野直子さん。
六年前に脳出血の後遺症で左片麻痺となり、外出時は車いすを使用するように。以来、レストラン、劇場、本
屋、雑貨屋など、ケアスタッフと共に様々な場所へお出かけされています。 なかでも訪れた美術館は数知れず。古代から現代まで多岐にわたるジャンルを嗜まれています。そこで今回
は美術館にスポットを当て、お話を伺いました。大学一年生ケアスタッフ岡部さんのインタビュー初挑戦です! ―私は美術館に詳しくないのですが…美術館のバリアフリーは進んでいるのですか?
大体の美術館は車いすトイレもあるし、特別不便を感じたことはないんですけど。
―どこでもですか?
うん。よほど小さなところに行かない限り。階段しかないところもたまにあるけど。庭園美術館(※1)とか。リニューア
ルしたところなのに…でも最近はほとんどのところが親切ですね。あ、原美術館はエレベーターがないけど、どうしても 好きなお部屋(※2)があって、頑張って二階に上ります。 ―その原美術館とはどんな美術館ですか?
住宅街にある、誰かが住んでいたおうちが美術館になっていて。おうち自体がとってもいい感じなの。こじんまりして
いて、落ち着いてみられるし。しかも親切。二階に上がるときも手伝ってくれる。ミュージアムショップもとてもいい。 ![]() ―ほかに好きな美術館はありますか?
今気に入っているのは国立新美術館なんだけど。こないだも行きました、サンシャワー展というものに。会場が広く
て、草間彌生展とかでも大きなものが飾られていて、そういう意味ではいいなと思うのですが。でも私は、そういうものよ りも、日常のちょっとしたところを描いてある絵が好きで。玉ねぎの絵とか。それでやっぱり原美術館がお気に入りです ね。 ![]() ![]() ―気に入った美術館には何度も行かれたりしますか?
うん。結構行っちゃいますね。絵は見ていて飽きませんし。いろいろ見ていると自分でも描きたくなるんですよね。
―絵を描かれるのですか?
あまり描けないけど、気持ちで描けば何とかなると思いますね(笑)。風景とかちょっとだけなら。うまく描こうと思わ
ず、伝わればいいかなって。 ―絵以外でもお好きなものはありますか?
音楽も好きですね。最近は能とか文楽にも興味があります。能も見にいきたいと思ってるんですけどね。
―美術は昔からお好きだったのですか?
それがね、結婚する前に、美術が好きな友達がいて、あっちこっち連れていかれていたんですね。
―連れていかれて(笑)。
そう(笑)。結婚してからはあまり興味がなくて忘れてたんだけど、五年くらい前にうちの息子が突然、エル・グレコ展
に行かないかって連れて行ってくれて。それから思い出したんですよね、美術の良さを。 ―それは、外に出るときは車いすを使うようになってからですか?
そうですね。
―最初は車いすで外に出ることを怖いと思いませんでしたか?
私は特にそうは思わなかったんだよね。私は外に出ることが好きなので、外に出ないと息詰まっちゃって。平成貴族
じゃないから(笑)。どこかに行けば、一人でできないことは誰かが助けてくれるっていう考えが頭にあって。趣味と信頼 できる人がいれば大丈夫。それに、意外と、知らない人も助けてくれますね。 ![]() ―美術館には紳士的な方が多く来るイメージがあります。
そう、段差で車いすを持ち上げてくれたりする人もいる。日本中の人がそうなってくれたらとても嬉しい。とにかく最寄
りの駅に着いちゃえばどこにでも行けると思えるわ(笑)。 庭園美術館は階段で手伝っていただけないところは不親切だったりするけど、とてもきれいです。
あとは、練馬区美術館、目黒区美術館もいい展覧会をやっているんですよ。
六本木ヒルズにある森美術館もとても親切でいいです。六本木の町が好きで。町が複雑なのがまた面白いよね
(笑)。道に迷うのも楽しんじゃう(笑)。 他には、渋谷にあるBunkamuraは芸術の村(※3)のようになっていてそこに住みたいくらいだし、現代的な作品も
多いパナソニック汐留ミュージアムから見る眺めもいい。外苑通りにあるワタリウム美術館の外観や西洋美術館のレ ストランも素敵です。レストランでいうと、東京都美術館や世田谷美術館のフレンチがおいしそうなの。そのうち入れる 時が来たら入ろうと思っていますが…。 ![]() ―ほんとうにたくさんの美術館を知っていらっしゃいますね。どこで知るのですか?
やっぱり興味を持っていたら自然と目に入ってくるというか。新聞や雑誌、生協での紹介から情報を得ていますね。
今行ったことなくて行きたいのは石川県の金沢二十一世紀美術館ですね。あとは箱根にある岡田美術館、ポーラ美術 館。横浜トリエンナーレ、瀬戸内芸術祭とか…いろいろありますね。 ―これからも美術館巡りは続けていきますか?
そうですね。絵を見るってすごく楽しいことで、心が和むというか。絵描いてる人っていろいろな考えを持っているから
その影響で、最近は哲学にも興味があります。哲学も面白いですよ。 インタビューを終えて (岡部那津)
高野さんには初めてお会いしましたが、高野さんの美術の知識、行動力にとても驚きました。美術館に詳しく
ない私は、たくさんの美術館が全国に、都内にもあるとは知らなかったです。 大好きな美術のためなら少しの困難も気にしないという、とてもパワフルな方です。私の拙いインタビューにも
丁寧に答えてくださった高野さん、ありがとうございました。
※1…現在エレベーター設置工事中
※2…宮島達男氏による「時の連鎖」という作品。真っ暗なトンネルのような小部屋で、カーブした壁には点滅する数字
のラインが浮かび、時を刻んでいる。(常設展示) ※3…美術館、劇場、映画館、カフェ、アート関連ショップなどが入っている複合文化施設
2.工房材料材質紹介コーナー
いたずら工房ピノキオでは、日々、いろいろなものづくりを行っています。製作活動の中で使用する材料は、
何気ないものから、「これは便利!」「これは楽しい!」といったちょっと変わったものまで様々。中には、みなさ んの生活の中の思わぬ場面で活躍してくれるものもあるかもしれません。 ということで、今号では久々にイチオシの材料をご紹介します。気になる方はぜひ試してみてくださいね。みな
さんからもオススメの材料があれば、ぜひご一報を! 『液体ゴム』
塗って乾かすとゴムになる、不思議な液体。木・金属・樹脂・ガラス・布など幅広い素材に塗ることができるため、すべ
り止めや微振動の吸収など、様々な使い方が可能です。水性なので、扱いやすく安全なのも嬉しいポイント。水で薄め て粘度を調整することもできます。 ![]() ![]() ![]() タイプ(大きさ)は二種類。ハケ塗りやドブ付けには広口のボトルタイプ、細部での使用やペインティングにはチューブ
タイプが便利です。カラーはどちらのタイプも六色(クリア・赤・黄・青・白・黒)発売されており、ホームセンター等で購入 できます。 軍手や玄関マットなどの裏、工具などの持ち手に塗れば、簡単にすべり止めに! ガラスにも使えるので、窓に絵を
描くことだってできます。不要になったら剥がせばOK。工夫次第で使い方はいろいろ! アイディアが広がる一品で す。 ![]() ![]() ![]() メーカー:ユタカメイク
主成分:アクリル樹脂
オープン価格:チューブタイプ約八〇〇円〜 ・ ボトルタイプ約一〇〇〇円〜
いたずら工房ピノキオでは、「こんな用具があったら助かるのに」「ここを直したら、もっと使いやすいものになるのに」
と、障害者・高齢者が思い描くものをかたちにしていくための活動を行っています。当事者本人が製作の中心となりな がら、自分に合ったものをつくりだす。ケアスタッフとともに、ものづくりの楽しさや喜び、障害について考えていく機会を 共有し、互いの理解を深めていく場になればと考えています。 3.ケアセンターあれこれ
8月
・ジャパンDIYホームセンターショウ2017見学
9月
・運動会練習会2回
・ケアスタッフ親睦会開催
・自転車安全利用TOKYOセミナー参加
・平成29年度東京都地域居住支援モデル事業研修会参加
「空き屋(室)・空き店舗活用で地域づくりを&居住リビングで地域コミュニティ実践報告」
・改善状況報告書新宿区提出(居宅介護・重度訪問介護・移動支援)
・ケアマネット新宿研修会参加
・国際福祉機器展2017見学
10月
・運動会練習会2回
・平成29年度新宿ケアカレッジ研修参加「高齢者の尊厳ある暮らしの実現〜高齢者虐待防止と権利擁護」
・医療的ケアに関する研修会参加「ドクターから学ぶ健康観察のポイント変化する体を知って日常のケアを見直そう」
・指定障害福祉サービス事業者指定更新申請書提出
・平成29年度地域福祉振興事業助成金中間報告書提出(工房)
新宿ライフケアセンター運動会
11がつ23にち(木) 13:30〜17:30 戸山サンライズ体育館
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