ゆうゆう89号

2014年6月23日発行







日ごろな一枚
                    



文京区大塚にて撮影。高低差があまりにも大きいために、坂の斜面が


急になりすぎる…ということで階段がつけられています。狭い路地に住


宅と坂道が入り組んでいて、坂好きな私のお気に入りスポットの1つで


す!(ケアスタッフH)



1.「TOYOとよ見聞録」 特別編
 チョ~久々に帰ってきました豊田昭知本人と「TOYOとよ見聞録」!!
 豊田さんが東京にやって来るというので、僅かな時間ではありましたが飲み会を設定し、近況や昔話で大いに
盛り上がりました。そして、盛り上がりついでに「TOYOとよ」の原稿もお願いし、今回の特別編の掲載と相成り
ました。

 久々に「TOYOとよ」節をお楽しみください!


11年振りの新宿     大分県大分市在住  豊田 昭知
 三澤さんの偲ぶ会への出席を機に、11年振りに新宿を訪問した。JR高田馬場駅に降り立ち、僅か数段の階段にエ
レベーターが設置されていて驚いた。駅を出ると、外壁の色が赤から青に塗り変えられてはいたが、右手にビッグボッ
クスが見え懐かしかった。定食屋の「一膳」、おにぎりをよく買った「伊勢屋」等々懐かしい店も散見されたが、早稲田通
りは大きく変貌していた。通りの両側に新しいビルやマンションが立ち並び、まるで大都会(?)になったようだった。車
いすの高さからは何となく圧迫感さえ感じられた。

 明治通りを越えて、ケアセンターの事務所に向かうはずだったが、早稲田通りからの入口が分からず、スーパー「三
徳」が見えて通り過ぎたことを知った。「三徳」は私の東京生活を支えてくれたスーパーである。ここまでくればと、約10
年間暮らしたタケハイム(私が住んでいたマンション)に立ち寄ってみた。なんと、建物に入る時に使っていたスロープ
がそのまま残っていた。これには驚かされた。
                        
 早稲田通りを戻り、事務所へ行く脇道の入口を思い出した。通り過ぎてしまったのは、目印だった「ひまつぶし」がなく
なっていたからだ。あの、(宇宙一安い)などと壁に書かれていたユニークな店だ(知る人ぞ知る)。そんなこんなで、予
定の時間より少し遅れて事務所にたどり着いた。外壁は塗り変えられていたが、事務所は11年前のままだった。日曜
日にもかかわらず、事務所を開けて、Tさんが待っていてくれた。懐かしくて、近況報告やらなにやら話が盛り上がり、
長居をしてしまった。
 その後、事務所を後にし、新宿伊勢丹へと向かった。Tさんから教えられた通り、事務所の前の道を明治通りに出る
と、新しくできた地下鉄の西早稲田駅があった。東京の街の変化の速さに唖然とさせられた。東京オリンピック開催の
頃には大変貌を遂げていることだろう。ところで、私は昨年引っ越して今JR大分駅の近くに住んでいる。たぶんここは
大分県で一番の中心地である。このJR大分駅が一昨年高架化されて新しくなったが、建設計画が出て完成までに40
年の歳月がかかったというのだから驚きである。さらに、今現在、駅ビルや県立美術館の建設等々を中心とした駅周
辺整備計画なるものが進められている。これがまた、100年に一度の大プロジェクトというのである。このような一大変
化の時期に、すぐ近くにいてこの地域の変化を目の当たりにできるのは幸せなのかもしれない。ただ、生きている間に
は二度と目にすることのないできごとなのである。地方の変化がいかに遅いかということを、今回の上京によってあらた
めて痛感させられた。
               
 地下鉄の駅を降りたのはいいが、出口を間違え結局一番奥の突き当たりのエレベーターで外に出た。ようやく地上に
出たが、伊勢丹の場所が分からない。西早稲田に住んでいた頃、あんなに通っていたのに。道を尋ねながら辿り着い
てみると、伊勢丹は大きく変わっていた。メンズ館ができていたのだ。大分にはデパートと言えそうなものは一軒しかな
く、ファッションにまったく関心のない男たちの多い大分では、デパートのメンズ館よりもユニクロの方に圧倒的な需要
がありそうだ。そんな事を考えながら、雨の天気予報が出ていたので、傘を買おうと思い売り場に行って驚いた。とにか
くデザインが豊富。つまり選択肢の幅が広いのだ。大分では機能の違いがあるだけで、男物の傘のコーナーには暗い
色のものが並んでいるだけだ。ことほど左様に、大分のような地方では、少ない選択肢の中から選んでいく生活にな
る。楽と言えば楽なのだが、選択能力は身に付かないと思う。
 気に入った傘を見つけ購入した。広げると電動車いすがすっぽり隠れるくらいの大きさだが、オシャレな傘だった。
 夜は飲み会に参加することになっていたので、高島屋にも行きたかったが時間の余裕がなく、会場になっていた京王
プラザホテルに向かった。途中、予報通りに雨が降り出して早速購入した傘が役立った。
 飲み会では近況報告や昔話に花が咲き、大いに盛り上がった。この後のハプニングのことなど何も知らずに。ここは
東京だという思いもあって、終電の時間など気にもしていなかった。ふと気付いた時には真夜中に近かった。この日は
事情があって、鶴見に宿を取っていた。ちなみに、鶴見は横浜と川崎の間にある。え、電車大丈夫か? 焦った。
 小田急デパートに行くと駅に通じるメインのエレベーターはすべて停止していた。Tさんが駅の方に聞きに行ってくれて
いる間、駅に降りられるエレベーターを探していたら脇のほうに稼働しているエレベーターがあり、駅に行くことができ
た。ホッとしたのも束の間、山手線の終電が迫っていた。とにかく、品川に出てそれから鶴見に向かうことになる。
 JR品川駅について見ると、鶴見に直通で行く電車がちょうど出たところだった。次の電車は蒲田止まりで、乗り換えな
いと鶴見までは行けないとのことだった。さらに乗り換えた後の鶴見行きは最終電車で、乗り換え時間は3分ほどしか
ないという。しかも悪いことにホームが異なりエレベーターを乗り継がなければならない。「もし万が一乗り換えに失敗し
たら蒲田下車で終わりということになるが、いいか?」と駅員から確認された。いいか、と言われても、野宿する訳にも
いかず、ええい! ままよ! とばかりに運を天に任せることにした。蒲田駅行きの電車が来るまで、頭の中ではいろ
んな考えがぐるぐると廻った。とにかく問題は蒲田駅で、エレベーターをスムーズに乗り継いでホームまで行けるかが勝
負だった。駅員の話では、何もなければ時間も時間なのでエレベーターもスムーズに行って乗り換えはうまくいく、との
ことだった。ただしかし、酔っ払いがエレベーターを使うことがあるとのことで、その時はアウトだという話。
 いよいよホームに蒲田行きの電車が滑り込む。心臓の鼓動が高鳴る。酔いはすっかり冷めている。電車を降りたら
すぐにエレベーターに向かい、ボタンを押す。最短時間と最短距離で。頭の中で何度も何度もシュミレーションする。電
車の中では、車内のモニターでどちらのドアが開くかを確認し、降りるドア側に電動車いすを向けドア付近に寄る。あと
何分でどこの駅に着くという表示を見ながら、蒲田駅が近づくと、乗っている車両とエレベーターの位置をモニターで何
度も確認する。駅に着きドアが開く。駅員がスロープ板を設置する。降りる。とその時、前を人が走って横切り危うくぶ
つかりそうになる。何とか難を逃れる。ぶつかってああだこうだ言っている暇はないのだ。ホーム行きのエレベーターに
乗り換えるため、通路に上がる。通路に上がってみると、案の定、酔っ払いの若者三人組がエレベーターの前で待って
いた。私がエレベーターの近くに来た頃、駅員もスロープ板を持って上がってきた。「ちょっと、車いすのお客さんがいる
のでいいですか」と駅員が例の三人組に言った。すると、そのうちの一人が、私の方をチラッと見ながら、「車いす優先
だよね」と言ったことで、他の二人もなんとなく納得したふうだった。それを見て、すかさず駅員がエレベータのボタンを
押した。エレベーターが開くと同時に私は滑り込んだ。駅員も素早く乗り込み、ホームに到着。ほぼ同時に電車が入っ
てきた。「間に合いましたね」と駅員。心底ホッとした。電車に乗り込むと、急に眠気を催してきた。ホテルに着いた時に
は午前1時を回っていた。
 こんなハプニングのお陰で、今回の上京は忘れられないものとなりました。今度はついでではなくゆっくりと訪問した
いと思っています。その節はよろしくお願いします。
                            

《豊田昭知》こと「TOYOとよさん」。


元ケアセンター職員でポリオの障害を持つ。大分県出身。1993年上京して一人暮らしを始め、東京に骨を


埋める覚悟であったが、一身上の都合により2003年に突如、後ろ髪を引かれつつも故郷へ帰る。



2.重曹をつかってサッパリしよう! 重曹生活のススメ ~清拭編~
 ムシムシ、ジトッと、暑い日が続く季節がやってきました。

 毎日手軽に入浴やシャワー浴ができればいいけれど、体調やらケアの都合やら諸々の事情で、そううまくはいかない
利用者の方は多いですよね。でもやっぱり、この季節はサッパリ、スッキリしたい!
 そんな時の強い味方、「重曹水蒸しタオル」を使った清拭はいかがでしょう。重曹水は、肌の汚れを取り去って消臭
し、おしっこや汗などの老廃物でかぶれそうになった肌のPH(ペーハー)バランスを整える働きがあるとのこと。石鹸を
使わずとも、皮脂を取り過ぎずきれいになれる手軽さがオススメです。
 重曹はドラッグストアやホームセンターなど身近な場所で購入できますので、ぜひお試しください。


〈重曹水蒸しタオルの作り方〉

①水またはお湯に〇.二~一パーセント程度 の重曹を溶く

②タオルを重曹水に浸し、少し緩めに絞る

③レジ袋等に絞ったタオルを入れ、電子レン ジで一分程度温める

※電子レンジのワット数や加熱時間によって異なります。熱くなりやすいため、十分ご注意ください。

※重曹水は、8パーセントの濃度まで用途に応じて使うことができます。お好みに合わせてご利用ください。(カップ一杯
の水200CCに小さじすりきり2~3杯でだいたい3~4パーセント)

※参考資料 『重曹生活のススメ』岩尾明子(飛鳥新社)
                  



3.ケアセンターあれこれ

4月

・運動会練習会2回
・平成25年度新宿区障害者福祉活動事業助成金実績報告書提出(機関紙)
・平成25年度地域福祉振興事業実績報告及び精算書提出(工房)
・平成26年度新宿区障害者団体懇談会出席
・「三澤了さんの遺志を継ぐ会」参加
・ケアスタッフチームミーティング
・平成26年度新宿区障害者福祉活動事業助成金申請書提出(機関紙)
・日本財団福祉車両助成事業年間運行報告提出


5月

・運動会練習会2回
・ケアスタッフ親睦会開催
・ケアスタッフ勉強会「車いす介助」開催
・新宿区社会福祉協議会 平成26年度地域 ささえあい活動助成金申請書提出(運動会)


6月

・運動会練習会2回
・ケアスタッフ勉強会「排泄介助」「入浴介助」開催
・ケアスタッフチームミーティング
・ケアマネット新宿定例会参加
・東京都 平成25年度事業報告書提出
・公益財団法人太陽生命厚生財団平成26年度事業助成申込書提出
・公益財団法人みずほ福祉助成財団平成26年度社会福祉助成金申込書提出
・新宿区障害者団体連絡協議会総会参加


・2014年度通常総会開催
【2013年度事業報告】
 ケア事業部門については、利用者のニーズや生活状況に応じて、介護保険法による訪問介護、総合支援法による障
害福祉サービス、制度外の介助サービスを行っています。安定したケアの提供・質の向上を図るため、様々な工夫や
視点を盛り込み職員及びケアスタッフの育成に取り組んでいますが、財政的基盤が脆弱な中、利用者の要望に十分応
えられていない現状は継続しています。一方で、福祉業界全体においては更なる介助者不足が慢性化・深刻化してい
ます。介護報酬単価の低い重度訪問介護、人手の確保が困難な夜間や日曜日のケアなどの問い合わせが当センター
にも増え、より重度な利用者の生活が安定していない社会状況が感じ取られます。

 工房部門については、ケア事業部門や企画運営事業部門との連携を通じてニーズが掘り起こされ、一人一人に合わ
せた丁寧なものづくりに取り組んでいます。今年度末には、新宿区社会福祉協議会からの助成により3Dプリンタを導
入することが可能となり、新たなものづくりへの可能性が大きく広がりました。コミュニケーションロボットをテーマにした
研修会も開催し、従来の福祉用具や介護用品の枠組みにとらわれない視点も取り入れながら活動を行っています。さ
らに、工房での製作物等の成果は、冊子やホームページを通じて情報発信され、広く地域に還元できるようにしていま
す。

 また、2013年度は、様々な立場の人が協力し合い活動を創っていく仕組み作りの一つとして設立されたケアスタッフ
チームが中心となり、東日本大震災と障害者をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映会を、早稲田大学総合人文科
学研究センター等の協力を得て開催しました。学生や地域住民の方々を交え、地域の在り方や障害者と防災について
考える機会を持てた意義は大きいと考えています。今後も多様な人が多様なかたちで当センターの活動に関われるよ
う、企画運営事業の内容や情報発信、広報活動の在り方等、更なる検討を重ねていきます。

 2013年度は三澤前理事長の死去に伴い、組織体制や財政状況に大きな変化のある一年となりました。利用者の
高齢化、及び家族の高齢化によるニーズの変化も生じてきています。前身団体である新宿ライフ・ケア・センターの発
足より二五年以上を経過した現在、当センターの役割や理念を再度確認しつつ、当事者団体としての視点、一人一人
へのきめ細やかな柔軟な対応という当センターの特性や強みを活かした活動を展開していきたいと考えています。

【2014年度事業計画】
 ケア事業部門では、制度内・制度外のサービスを問わず安定したケアの提供と質の向上が図れるよう努めていきた
いと考えています。障害福祉サービスから介護保険制度利用へ移行する利用者、要支援の介護認定を受けた利用者
など、各自のニーズに対応していけるよう体制づくりを進めていきます。

 当センターの各事業が相互に連携することで、より良い作用を生み出していくことを目指します。また、地域の各関係
機関とのネットワークづくりに向けて取り組み、その成果を活動に反映させていきます。

 今年度はこれまで以上に厳しい財政状況にありますが、職員及びケアスタッフの安定した労働環境を整備していける
よう、介護報酬等事業収入の確保、各助成金の申請や寄付金の要請等を行っていきます。そのためにも信頼の得ら
れる組織であることを目指し、SNSの利用などインターネットの有効な活用についての検討を行いながら、広く当センタ
ーの活動成果を情報発信していく必要があると考えています。そして、様々な立場の人が協力し合い活動を創っていく
仕組み作りに取り組んでいきたいと思います。

 さらには、災害時・緊急時の対応についての検討を引き続き行っていきます。地域のネットワークという言葉が一人
歩きをするのではなく、日々の生活の中で、人と人、人と組織との実態のあるつながりを、個々の利用者の状況に応じ
て再構築していく必要があると考えています。新宿という地域の中で、かつ被災地に向けて、当センターとして可能な支
援の在り方を模索していきたいと思います。

〈事業内容について〉
・介護保険事業(居宅介護支援/訪問介護) 12月より予防訪問介護を開始予定
・障害福祉サービス事業(重度訪問介護/居宅介護/移 動支援)
・介助サービス提供事業(自費)
・障害者、高齢者の生活環境整備を行う工房
①3Dプリンタを活用したものづくりへの取り組み
②作業場移転の検討
・障害者、高齢者への理解を深める研修会やイベント等 の企画運営事業
・機関紙発行等の広報事業

【2014年度役員体制】
 理事長   畑山 正子
 副理事長  阿部 浩
 理事    刈谷 裕/草野 雅史
 監事    杉森 知子


4.3Dプリンターで新たなものづくりにチャレンジ

 いたずら工房ピノキオでは、日々、様々なものづくりを行っています。これまでは、身近な場所で手に入る材料や道具
を使っての活動がほとんど。そんな工房に、この度、3Dプリンターがやってきました。

 3Dプリンターとは、パソコン上で作った設計図をもとに立体物をつくり出すことができるプリンターのこと。昨年、アメリ
カのオバマ大統領が演説の中で言及し、日本でも大きな話題になりましたね。3Dプリンターを使えば、自分に合ったも
のをつくりだすことはもちろん、今までできなかった形を実現することもできます。そんなわけで、工房でもさっそく製作
活動を開始しています。(写真参照)

 みなさんも、3Dプリンターを使ってものづくりをしてみませんか?

もしも、「こんな用具があったら助かるのに」「こんな形だったらもっと使いやすいのに」と思い描いているものがあった
ら、ぜひ一緒にかたちにしていきましょう!
         
        PC&タブレット立て             ドアの鍵を開けるためのリーチャー、その先端部分



助成していただきました。
 この度、新宿区社会福祉協議会による備品整備・施設整備助成金(2013年度)の交付を受け、3Dプリンターの整
備を行いました。
 いたずら工房ピノキオでは、これまでにも既製品では対応の難しい一人一人に合わせたものづくりに取り組んできま
した。3Dプリンターの導入により、以前は困難だった構造の製作物への取り組みなど、その特性を活かした新たなも
のづくりを展開することが可能となりました。今後は、これまで以上にそれぞれの利用者の生活スタイルに合わせた物
づくりを目指し、活用していきたいと考えています。
 本助成事業は、株式会社日本財託様からの寄付金により実施されたものであり、深く感謝申し上げま す。
         購入品名:MakerBot Replicator 2X→ 
5.編集後記
久々に友と再会しました。

11年経ったとは思えぬほど風貌も話し方も変わらず、ちっとも老いぼれてはいませんでした。残念(笑)

東京を離れるとき、後ろ髪を引かれた夜のネオンやチンチンジャラジャラという音に未練タラタラかと思いきや、全くそ
んな感じはなかったですねぇ。

きっと何か良いことがあったのでしょうねっ、大分で!! その話はまた本人が「TOYOとよ」に寄稿してくれると思いま
す。読者の皆さん、その時を楽しみに。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、前述の行の終電騒動になってしまいました。またゆっくりと飲む機会
を作りましょう!

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