ゆうゆう86号 2013年12月25日発行
日ごろな一枚
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1.インタビュー電動伸縮杖こづえちゃんを使って 秋山 満喜子×菅野 栞
「これ、世界初の杖なのよ」 その一言がきっかけとなり、今回のインタビューが企画されました。
利用者・秋山泰子さんのお母さんである秋山満喜子さんは、「世界初の杖*」である電動伸縮杖「こづえちゃ
ん」を10月から使用されています。世界初の杖とはどんなものなのか、さっそくお話を伺ってきました。 電動伸縮杖「こづえちゃん」とは、グリップについたボタンを押すだけで、簡単に伸ばしたり縮めたりできるT字型杖で
す。すばやく長さを調節できるので、階段の上り下りなどで足の負担を軽減します。使わない時には短くし、カバンに入 れて持ち運ぶこともできます。 開発した岩田鉄工所の岩田勝美社長は、長さが固定された従来の杖では階段の昇降時に不便なことに着目。「昇る
時に短く、降りる時に長く簡単に調節できる杖があれば便利」と考え、この杖を開発したそうです。 *…株式会社ITK調べ
![]() ――電動伸縮杖「こづえちゃん」を使うようになった経緯を教えてください。
ひざが痛くなって歩けなくなったことがあったんです。そのときは(娘の)泰子の電動車いすを借りて病院に通ったりし
て、それからやっぱり杖がほしくなって。3本使ったけど、重さだとか、なんとなくね、気に入らなかったの。 この杖を使うようになったきっかけは、この杖のグリップに入っている機械を作った人と知り合ったことです。本当は泰
子がここで一生暮らせるかと思って、家を改造していたんですよ(現在は入所施設にて生活)。その人は国際福祉機器 展で、窓の開け閉めをリモコンでできる機械を出品してらしたんですね。私はそれを見て注文しました。泰子を自宅で 暮らせるようにしたかったから。そうすると何が困るって言うと、家で窓が開けられないのが一番だったんですよ。それ でうちに来ていただいて、泰子の部屋のベッドのそばだけ、窓を自分で開けたい時は開けられて、鍵まで閉まるものを つけました。その人が、青野豊さんという方なのよ、岐阜県から来てつけてくださって。 それで「他にどこか困ってるところありませんか」って、たったその一言がきっかけでつながってきたの。その頃、泰子
の掛け布団が、はがれてしまったりベッドから落っこちちゃったり、暑いからはぎたいと思っても自分でうまくはがせなか ったりとかで、年中夜中でも何でも「お母さん」って呼ばれるのにちょっと大変と思っていたんです。それでお布団の縁に ひもをつけて滑車をつけて、これをぎゅーって引っぱれば蒲団が足元へ行くとか、いろんなことを工夫してやってたんで すよ、私一人で。まあなかなか難しいんですけどね。青野さんに「他に何かありませんか」と言われた時に、掛け布団の こういうので苦労してるんだって言ったら、それからね、2年間かかった。青野さんは2年間考え続けてくれてたんです。 それで最後に考え付いたのが、お布団の縁をベッドのサイドに全部、柱につながる位置において、掛け布団がぐーって 上に上がるものでした。それも、上がっちゃったままとか下がっちゃったままじゃなくて、この杖と同じで、途中好きな場 所で止められる。だから、暑いなと思ったらちょっと上に上げとけばいいとかね、そういういろんなことができるのを考え ついてくださって。(写真参照「空飛ぶ布団」) ![]() この杖は、青野さん自身が杖を作ってるんじゃなくて、杖を作る会社(株式会社ITK)の人が思いついたんですって。
それで、グリップの中に何か機械を入れたそうですけど、重すぎて使い物にならないから300グラム以下にしたいと。 青野さんが頼まれて一緒に作ったそうなの。そのあと私が杖をついてるのを知って、「こういうのあるよ、使ってみない か」と持ってきてくださったの。 ――普通の杖と比べていかがですか。
普通の杖は両手で長さ調節してきゅっと止めて、途中から「ここから長いのじゃないと」ってなると、立ち止まってやら
なきゃいけないんですよね。 このあいだバス降りるときに、男の人が段差で立ち止まって、杖をぐっと伸ばしてました。降りるの怖いからそうしてら
っしゃったのね。それ見た時に、ああ私のだったら、そこでシューッってやって(長くして)支えになってもらえて、上る時 にはまたすぐにスーッて(短くできて)。だから、時間的にも楽だし、気兼ねもしなくていいし。バスから降りるときにね、 度々そういうことを思いました。 ![]() ![]() ――実際にバスで使われましたか。
バスで使ったのは1回くらいかな。
去年、バスツアー旅行でおいてけぼりくって(笑)。段々を上がり下りするのに、もうくたびれてしまって。親戚と行った
んですけどね、「ここで待ってるから行ってきてください」と。でもそうなると、行った人もゆっくりしてられないんですね。そ れで「ああ悪いことしたな」と思ったんですよ。でも今年はこれ持っていったら、皆安心して一緒に。手すりもない急な坂 の所もあったんですが行けました。 下りでかがむのが一番疲れます。だけどこれで、楽に下れました。
――やはり傾斜のある坂道や階段で一番便利で すか。
坂道や階段にはいいです。上りより下り。下る時に前のめりにならなくて済むっていうのが。まずめまいがしないの
ね。体がふらつくんですよ、前のめりになると。 階段を上る時は短くしました。ホテルでね、露天風呂に行く階段が急だったんですよ。そしたら短くして。上りは短いの
が良くて、下りは長いのが良くて。随分便利ですね。 ――これなら手を一回離して調節して、としな くていいですね。
そういうの何回か見ますよ、立ち止まってくるくるっと回してるのを。つかまるもの外して、階段の途中でそうしてるのな
んか見るとね、あっと思いますよ。だからやっぱり、瞬時にシュッとやれるので、階段ではこれのほうがいいと思いま す。 ――伸縮は途中でどこでも止まるんですか。
どこでも、離せば止まっちゃう。そこがいいのねきっと。普通の杖だと決まった段階でやっていかないといけないんで
すよね。 ――縮めるととても短くなりますね。
そう、短いとこんなに短くなる(45センチ)。私、これをリュックに入れて、いっつも持って歩いてるの。全然歩けないわ
けじゃないから、ちょっとくらいの所は、手に何も持ってないほうが動きがいい時もあるんですよね。だからリュックに担 いで。 ――グリップや重さなど、使い勝手の良しあしについて教えてください。
握るところはね、太さ的にはぴったり手に合ってる。しっかりしてるから頼りになるわね。重さは、最初これ持った時、
「あら、重いかな」って思いましたよね。でも今こうして使ってみて慣れてくるとね、そんなには。まあ、でもこれよりは軽 いほうがいい気がしますよね、もうちょっと軽く。 カナダに住んでいる義弟が、奥さんが杖を使ってるって話してたから、これすごくいいのでね、日本から帰る時に「お
土産はこれにしてあげよう」と思って見せたんですね。そうしたら、ここ(ストッパーつまみ)触った途端に「だめ!」って言 いました。「ええ?」って言ったらね、こんな金物なんか、すぐに手が凍りついちゃうって。これから冬に入るでしょ。それ から、ここ(ゴム脚)がだめなんですって。これでは滑っちゃうから、尖ったものじゃないと。やっぱり、場所によっていろ いろ違いがあるんですね。 ――問題点はありますか。
まだないわね。でも使用期間がまだ短いので、気付かないところもあると思います。
――改良すべき点はありますか。
この間テレビを見てたら、杖のグリップや下の方にライトがついてるの。ななめに、行き先の方を照らすようにライトが
ついてるのよ。それを見た時、あら、夜歩く人にいいとか下の方をぶつけられないで済むとか思ったのね。反射テープ もあるわね。だけどそのライトは、ああなるほど、と思いましたよね。 あと、伸び縮みする時の音。こんなにすごい音しなくてもいいのに(笑)。人中でガーなんてやるとちょっとね、何やって
んのかなんて思われちゃうよね。この音をなくしたらえらいわね。 ――充電が切れたかどうかはどうやってわかるんですか。
わからない、動かなくなったらじゃない(笑)? どれくらいが持ち時間っていうのも知りたいね**。ある程度、使用可
能な時間、目安を覚えておきたい。どれくらい充電が残ってるのかランプで教えてくれるといいわね。 ――最短の45センチまで縮めるために、手動 でストッパーつまみを回すのは手間がかか りますね。
そのつまみを一度回すっていうのにね、初め慣れなかったのよ。ボタンで動くとばかり思い込んで押してたのね。あ、
そうだそうだつまみ回してひっぱらなきゃ、カチッていわなきゃいけないんだっていうのに慣れるまで、最初はやっぱり 時間かかりました。 ――デザイン性はいかがですか。
握りはこの太さでいいと思うけど、できれば裾はもうちょっとほっそりしてても、スマートでもいいかなあ・・・。スマートに
越したことはないけど、ただやっぱり安全性もいる、安定感がね。 色は何色だったらいいんだろう。これは(秋山さんはワインレッド色を使用)無難な色かもしれないね。パイプの下の
方の銀色は冷たい感じがしちゃうから、上と同じ色だったら見た目がいいわね。でも色塗るとそれだけまた重くなるでし ょ。
2.ケアセンターあれこれ
8月
・運動会練習会2回
・新宿区立あゆみの家見学会
・ケアスタッフチームミーティング開催
・平成25年度 備品整備 施設整備助成金申請書提出
9月
・運動会練習会2回
・国際福祉機器展見学
・ケアスタッフチームミーティング開催
10月
・運動会練習会2回
・ケアスタッフチームミーティング開催
・平成25年度地域福祉振興事業助成金中間報告書提出(工房)
・平成25年度新宿区障害者福祉活動助成金中間報告書提出(機関紙)
11月
・運動会練習会3回
・平成25年分 年末調整等説明会参加
・第9回新宿ライフケアセンター運動会開催
12月
・運動会練習会1回
・ケアスタッフチームミーティング開催
・新宿ケアカレッジ 認知症スキルアップセミナー参加
3.第9回運動会
11月23日(祝)、毎年恒例となった「新宿ライフケアセンター運動会」が戸山サンライズにて開催されました。当日
は、利用者やケアスタッフ、子どもたちなど約40名が集結。8チームに分かれ、3時間半に渡る熱戦が繰り広げられま した。 ここ数年は同じ競技種目での開催でしたが、今年は二種目を変更。その一つが「玉入れ」です。
みなさんご存じの通り、玉入れは運動会ではお馴染みの競技です。しかし、参加する利用者の多くは、玉を掴んで投
げることができなかったり、あるいは遠くへ投げることができなかったりします。昨年までの運動会にも ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 玉を投げる競技「的当て」があり、利用者それぞれに玉を飛ばすための専用用具を作って参加してきました。
的当てと玉入れの大きな違いは、狙う位置(籠)が高いこと、さらには玉が重いことです。これらのことがネックとなり
玉入れは難しいのではと、なかなか一歩を踏み出せずにいました。けれども、やっぱり玉入れは運動会には欠かせな い競技。これまでの経験を活かせばできるんじゃないか? ということで、今年はチャレンジしてみることになりました。 どうすれば参加者全員で玉入れを楽しむことができるか、競技内容やルール設定などについて、練習会で話し合い
を重ねながら準備を進めていきました。 難関は、利用者が玉を投げる方法です。自分の手で投げることができなくても競技に参加できるよう、紅白玉発射台
を製作することになりました。木材とバネを組み合わせ、小さな力でも玉を遠くへ飛ばせる仕組みを検討。飛距離が出 るよう試行錯誤を繰り返し、また、それぞれの利用者に合わせてサイズを変えるなど、少しずつ工夫を加えながらの製 作となりました。 運動会当日は、参加した利用者のうち六名が発射台を携えて参戦。飛距離は抜群で、かなりの確率で玉を籠に入れ
ているチームもちらほら。それぞれの発射台からは、玉を飛ばす度にバンッ!バンッ!と音が鳴っていたはずなのに、 その音が周囲の声にかき消されてしまうほどみんな夢中になり、白熱した戦いとなりました。 玉入れは全5回戦が行われ、利用者も発射台をフル稼働して玉を飛ばし続けました。しかし、さすがに酷使しすぎた
のか、最終戦あたりでバネの力に衰えが見え始め、飛距離が伸び悩むようになってしまいました。来年への課題です。 最後になりましたが、運動会開催に関わっていただいた多くの方々、本当にありがとうございました。来年はなんと、
記念すべき10回目の運動会となります! みなさん、来年も大いにはりきって熱い運動会をつくっていきましょう。 プログラム
1.開会式
2.徒競走(車いす競争)
3.障害物リレー
4.カローリング
5.魚釣り
6.休憩
7.バルーンゴーゴー
8.玉入れ
9.スラロームリレー
10.閉会式
4.車いす利用券をご存じですか?
車いす利用券をご存じですか?
〜リフト付きタクシーの予約料・迎車料・ストレッチャー利用料が無料に〜
障害を抱えた方々が外出しやすいよう福祉タクシー券が交付されていることは、皆様よくご存じのことと思います。そ
して一般のタクシーが利用しにくい方は、車いすやストレッチャーのまま乗車できるリフト付きタクシーをお使いですよ ね。 新宿区の場合、今年度は(株)グリーンキャブに運行委託しています。こちらを利用できれば、運賃は一般のタクシー
と同じかつ予約料や迎車料も不要。でも、新宿区の委託を受けて運行している(株)グリーンキャブのリフト付きタクシー は、残念ながら2台しかありません。「予約の電話を入れたけど、もう取れなかった」なんてことは、そう珍しいことではな いでしょう。 一方で、最近は介護タクシーとも呼ばれるリフト付きタクシーを運行している会社が増えてきています。しかし、こちら
は予約料や迎車料などがかかったり、乗車料金も会社によって異なったりして、少し割高感があるのは否めません。そ こで、新宿区では平成23年度から、リフト付きタクシーに乗車した場合に利用できる車いす利用券やストレッチャー利 用券を月に2枚、交付しています。こちらの利用券については、福祉タクシー券の交付ではなくガソリン代の助成を受け ている方でも、申請が可能です。 まだ車いす利用券をご利用になっていない方は、ぜひご活用を! 料金設定は会社によって異なるため、詳細は予
約の際にご確認ください。リフト付きタクシーの選択肢が広がれば、グッとお出かけしやすくなりますよ! お問い合わせは、新宿区障害者福祉課相談係へ。
![]() 《問い合わせ先》
新宿区福祉部障害者福祉課相談係 03(5273)4518
《対象》
次の(一)及び(二)に該当する方
(一)移動に車いすやストレッチャーを利用している方
(二)身体障害者手帳
肢体不自由(下肢・体幹機能障害)・内部障害または移動機能障害1〜3級
平衡機能障害 3級
*なお、車いす利用券をご利用の際には、新宿区が契約した会社への予約が必要です。連絡先は新宿区から配布さ
れている「利用可能タクシー会社一覧」をご確認下さい。 5.編集後記
編集後記
今年は何十年かぶりに海に入りました。チョー久々だったので入る前はちょっと未知な感じでしたが、入ってみればそ
んな気持ちはどこへやら。やっぱり楽しいものです。 久々に波の力を体で受け、海水のしょっぱさや冷たさを肌で感じ、海の楽しさや厳しさを思い出しました。
来年はもう少し海に近づいた生活がしたいものです。でもなかなか難しいだろうなぁ〜!?
せめて海に入る回数は増やしたい!
2014年が皆様にとってよい年でありますように…。
来年もよろしくお願いします。 事務局一同
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